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黒き艦娘、闇艦娘との闘いの火蓋が切って落とされる!
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――次の日

「んーーー! よく寝たのですぅ」

 目を覚ましたミーノは身を起こし、すっきりした顔で伸びをする。

「んううう……全然眠れなかったよぉ……」

 ミーノの真横には目の下に真っ黒いクマを浮かべて、目を真っ赤に血走らせている凛香がいる。

「……ミーノちゃん、よく眠れた?」

「はい! このとおりですぅ!」

 ミーノはぴょこんと飛び上がり、布団の上で飛び跳ねた。

「……そう、よかったね」

 凛香は目だけを動かしてミーノを見つめている。

「……もう少し寝ててもいいかなあ」

 そう呟いて、凛香は静かに目を閉じた。

「ダメよ、凛香ちゃん」

 ガシッと頭を掴まれて、凛香は恐る恐る目を開ける。すると目の前には、マリの迫力のある笑顔があった。

「……あのね、凛香ね、考え事してたらね……眠れなくなっちゃったのね……だからね、もう少しね……寝ていたいのね……」

「ダメよ、凛香ちゃん」

 マリの迫力のある笑顔がどんどんと近づいてくる。
 凛香は泣きながらマリに訴えかける。

「だってね、えぐぐぅ、ミ、ミーノちゃんがね、ひぐぅ、いくつなのかね、はぐぐぅ、わかんなくてね、ううううう、だってだって、ミーノちゃんがね、何十年も前にスグル様を追っていったミートくんを知ってるってね、ひゅうううううん、言うからね、ひみゅうううん、気になって気になってね……うわああああああああん!」

 泣きじゃくる凛香を、マリはいい子いい子して頭を撫でてやる。

「だからね、寝てもいい?」

「ダメよ、凛香ちゃん」

「……ひゃああああああああああああああん!」

 一睡も出来なかった凛香は、無常にも強制的に布団から叩き出されてしまう。

「……へのつっぱりはご遠慮願いマッスル」

 布団から強制排除させされた凛香は、まるで身包みを剥がされた被害者のように、ぶるぶると震えながら身を丸める。

「さあ、ごはんにしましょうね」

 マリは終始笑顔のまま、凛香の襟首を掴んでずるずると引きずり、食卓へと向かった。

――電車の中にて

「ねえミーノちゃん、なんだかみんな、こっち見てない?」

 車内のシートに並んで座っている凛香とミーノとマリは、チラチラと周囲の人々からチラ見されていた。

「我々は今や、刻の人なのですぅ。話題の人なのですぅ。そんな我々がこうして電車に乗っていたら、まわりの人は気になって仕方がないのですぅ」

「そ、そっか……そうだよ、ねえ……」

 凛香はそわそわしながらマリの方に目をやる。
 マリは背を伸ばした美しい姿勢で座りながら、目を閉じて静かにしている。

「すごいなあ、マリお母さんは。わたしはどうにも落ち着かないよお」

 凛香はきょろきょろしなが周囲を気にしている。

「人目を避けて物陰に潜むような人生をおくってきたわたしには、革命とも言える大変化だよお……うううぅ、なんだか身体中がむず痒いよお……」

 巨大ぐるぐるメガネの奥で涙目になりながら、凛香はぎこちない、ひきつった笑みを浮かべている。

「さあ、着いたわよ」

 話し込んでいた凛香とミーノにマリは声をかける。

「はわぁ! 降りないとですぅ!」

 ミーノはぱたぱたと慌てて電車を降りた。
 凛香は挙動不審な動きをしながら、ふらふらと降車する。


(つづく)

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