FC2ブログ
黒き艦娘、闇艦娘との闘いの火蓋が切って落とされる!
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「イメージ……そう、イメージ! マッスルアフェクションで動かすんじゃなくて、マッスルアフェクションが自分の身体そのものだっていう、イメージ!」

 真・悪魔将軍プペは目で追えないほどの速さで、右ストレートを放つ。

“びゅおん”

 真・悪魔将軍プペの右腕が空を切る。

「プ、プペェ! い、いない?! ど、どこへ行きよった!」

「おーい、真・アクペちゃん! こっちだよお!」

 背後から声が聞こえた真・悪魔将軍プペは、慌てて背後を振り向いた。
 そこにはコーナーポストの先端で片足立ちをしながら、お尻を突き出しながら手でハートを作っている、キン肉マンルージュの姿があった。

「ば、馬鹿な! この異常なスピード……これではまるで……まさか、そんな馬鹿げたことが……」

 真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュの変化に驚かされ、信じられないとばかりに何やら呟いている。
 そんな真・悪魔将軍プペを見て、マリは口を開く。

「真・悪魔将軍プペ、あなたはこう言いたかったのでしょう? これではまるで、マッスルアフェクション使いの熟練者ではないか! と」

 真・悪魔将軍プペはきつくマリを睨みつけた。

「ほざくな! ……確かに、このションベンガキ超人の動きは、マッスルアフェクションの使い方をマスターしている者の動きだ……だが、府に落ちん点は、それだけではない……さっきまで虫の息であったションベンガキ超人が、なぜだか今は活気と気力に満ち溢れた顔をしている……どうなっておるのだ? まったくもって理解不能な事態だ」

 マリは落ちついた、とても静かな声で、真・悪魔将軍プペに言葉を返す。

「あなたがキン肉マンルージュを追い詰めるために行った、地獄のメリーゴーラウンドによる追尾、追跡。確かにこれは、キン肉マンルージュの体力を極限まで削り、肉体的にも精神的にも、追い詰めに追い詰めたわ。そして与えられたダメージも甚大だわ。でも……」

「でも、なんだ? 答えろ! マリよ!」

 真・悪魔将軍プペはマリに向かって凄んでみせるが、マリは眉ひとつ動かさずに説明を続ける。

「でも、キン肉マンルージュはあなたから逃げきったわ。最後まで逃げおおせた」

「余から逃げっきた? 逃げおおせた? 馬鹿なことを言うものではないな、マリよ! 余は、わざとションベンガキ超人に追いつかず、あくまで付かず離れずで、背後からプレッシャーを掛け続けていたのだ!」

 マリは小さく顔を振った。

「いいえ、違わないわ。 最初のうちは確かに、キン肉マンルージュを追いまわしながら、追いかける速度を調整していたのでしょう。でも途中から、あなたは本気を出してキン肉マンルージュを追い掛けていた。違うかしら?」

 真・悪魔将軍プペは、わざと強く、会場中に聞こえるような舌打ちをした。

「……確かに、そうだ……」

「真・悪魔将軍プペ、キン肉マンルージュはあなたに追い掛けられていたあいだじゅう、必死になって不慣れなマッスルアフェクションのコントロールをしていたの。命を削りながら、必死になって、懸命になって、ひたむきに、一生懸命に、マッスルアフェクションをコントロールし続けたの。そしてその結果、キン肉マンルージュは知ることができたの、マッスルアフェクションで肉体を操作する秘訣を。そして修得したのよ、マッスルアフェクションをコントロールするすべを」

「それでは、何か?……余はションベンガキ超人を追い詰めていたつもりが、その実、こやつを成長させてしまったと……」

 ミーノは呆然としながら、頬を濡らしている涙を拭うことも忘れてしまうほどに、マリと真・悪魔将軍プペの会話に聞き入っていた。

「通常は数十年とかかるマッスルアフェクションの修得を、キン肉マンルージュ様は真・悪魔将軍プペから逃れることで……一気になし得てしまったのですぅ……そして真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュ様を追い込んでいるつもりが、逆にマッスルアフェクションの修得を超飛躍的に早めてしまった……マリ様はこうなることがわかっていたから、あんなにも冷静でいられたのですぅ?」

 マリは違うとばかりに顔を振り、そしてミーノに優しく微笑みかけた。

「私もこうなることは全く予想していなかったわ。でもね、私は信じていたの、キン肉マンルージュという超人を。キン肉マンルージュは絶対に大丈夫だと、ずっと信じていたのよ」

 ミーノは言葉を失った。そして胸が張り裂けそうな、それでいて心が満杯にまでいっぱいになったような、不思議な気持ちにさせられた。
 キン肉マンルージュという超人を信じきることができなかった自分が、ひどく情けない。
 その一方で、マリが凛香を想う気持ちの大きさ、偉大さ、愛の深さと凄さを肌で感じ取り、これ以上ないほどに感動した。
 ミーノはマリという人間の凄さが、身にしみてわかった。

「とうッ!」

 キン肉マンルージュは勇ましい声を上げて飛び上がり、リング上に着地した。

「すごい……すごいよ! 今までみたいに肉体を動かしていたときよりも、マッスルアフェクションを使う方が全然すばやく動ける! 力もアップしてる!」

 キン肉マンルージュは目で追えないほどの速さで、様々なポーズをとっていく。

“しゅばッ! びしぃッ! ぎゃぴーん! ずぴぎゅーん! ばぎゅじょーん!”

 キン肉マンルージュがとっているポーズのバリエーションがあまりにも豊富で、そしてそのポーズが全て彼女のオリジナルだという事実が、観客達に不可思議な迫力を与えている。

“………………なんだか、すごいな、ルージュちゃん”

 言葉を失っている観客達をよそに、キン肉マンルージュは会場中に響き渡るような大声で独り言を話す。

「これなら、いけるよ……絶対、いけちゃうよ!」

 真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュから只ならぬ気配を感じた。そしてとっさに両腕で上半身をガードしながら、後方に飛び退いた。

「ざーんねーんでーした、だよ! そんでもって真・アクペちゃんの後ろをゲット、だよ!」

 背後から声が聞こえた真・悪魔将軍プペは、後ろを振り返ることなく裏拳を放った。しかし、そこにはキン肉マンルージュはいなかった。

「またまた、ざーんねーんでーした、だよ! 正解は、真・アクペちゃんのお尻にいた! でしたー」

 真・悪魔将軍プペの背後で身をかがめていたキン肉マンルージュは、両脚で真・悪魔将軍プペの臀部を思い切り蹴り上げた。
 蹴られた勢いで真・悪魔将軍プペは真上へと飛ばされてしまう。そして真・悪魔将軍プペを追うように、キン肉マンルージュも真上へと飛び上がる。

“あああっとぉぉぉ! こ、この体勢はぁ!”

 アナウンサーが興奮しながら声を荒げる。
 キン肉マンルージュは宙で真・悪魔将軍プペをキャッチし、肩で真・悪魔将軍プペを担ぎ上げる。そして真・悪魔将軍プペの股を開くように、両脚の大腿部を押し下げる。

“間違えありません! この技はキン肉マンを象徴する伝家の宝刀! キン肉バスターだあ!”

“ずごどごごおおおぉぉぉん!”

 リングがたわむほどに激しく、キン肉マンルージュの放ったキン肉バスターが見事にきまった。

「プペェ……さすがは幾多の超人達を苦しめた元祖バスター、キン肉バスターよのう……結構に効いたぞ……だが、この程度では余は倒せぬぞ?」

「うん、そうだよね。わたしだって、これだけで倒せるなんて、ちっとも思ってないよ? まだまだ技の途中だもん!」

 キン肉マンルージュは真・悪魔将軍プペを担ぎ上げたまま、真上へと飛び上がった。


目次はコチラ

スポンサーサイト
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://musclerouge.blog.fc2.com/tb.php/237-f0eba017
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。