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黒き艦娘、闇艦娘との闘いの火蓋が切って落とされる!
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「プペプペプペプペプペッ! 破滅の九所封じの効果が、ようやく現れたようだな。動きがぎこちないぞ、ションベンガキ超人」

 キン肉マンルージュは縦横無尽にリング上を走りまわり、飛び交っている。しかしそこまでしても、真・悪魔将軍プペの姿を捉えられない。

「プペプペプペプペプペッ! 動きが直線的。無駄な溜めがタイムラグを生んでいる。ストップ・アンド・ゴーが雑。緩急は更に雑……まるでガキの鬼ごっこだ」

 動きまわっていたキン肉マンルージュはリング中央に着地し、そのまま四つん這いになってしまう。はぁはぁと息を切らすキン肉マンルージュ。その全身からは玉のような汗が噴き出し、身体中が汗でびしょ濡れになっている。

「プペプペプペプペプペッ! まるでフルマラソンを走り終えた後のような、サウナにでも入っていたかのような、馬鹿らしいほどに無様な姿よな。ションベンガキ超人よ」

 キン肉マンルージュはキャンバスに顔を落としながら、涙目になっている。

「……だめぇ……ず、すごく……む、難しいよぉ……」

 キン肉マンルージュの腕がぷるぷる震えている。そして肘がかくんと折れ、支えをなくしたキン肉マンルージュはキャンバス上に倒れ込んでしまう。

「……ううぅん……は、破滅の九所封じのせいで、全身が動かないから……動いてくれない身体を、マッスルアフェクションで無理やり動かしてるの……だけどそれが……すっごく難しいの……」

 キン肉マンルージュは不意に、背後に顔を向けた。しかしそこには真・悪魔将軍プペの姿は無かった。

「い、いない……どこにいるの……」

 真・悪魔将軍プペの姿を見つけられないキン肉マンルージュは、きょろきょろと周囲を見渡す。しかし真・悪魔将軍プペはどこにもいない。
 キン肉マンルージュはうつ伏せに倒れたまま、顔を前に戻した。

“がつッ”

 キン肉マンルージュの顎の下に、真・悪魔将軍プペの足先があてがわれる。
 真・悪魔将軍プペはいつの間にか、キン肉マンルージュの目の前に移動していた。
 真・悪魔将軍プペはつま先でキン肉マンルージュの顔を上げさせる。

「プペプペプペプペプペッ! マッスルアフェクションによる身体操作が難しい? それはそうだろうな。いきなりマッスルアフェクションを使いこなせというのは、どだい無理な話なのだ。ましてや自らの身体を操るほどにマッスルアフェクションをコントロールするともなれば、長年マッスルアフェクションを使い込んできた熟練者でなければ、そうそう出来るものではないわ」

 キン肉マンルージュはくやしそうに歯を食い縛りながら、弱々しい声を漏らす。

「マッスルアフェクションで身体を動かすのって……身体中に流れているエネルギーを操るって感じで……まるで自分の身体を、操り人形みたいに操るような……とにもかくにも、今までみたいに生身の身体を動かすのとは、全然違っていて……すごく難しい……脳みそが燃えちゃいそうなくらいに集中しなきゃだし……だからって身体を動かすことだけに集中していると、敵のことを見失っちゃうし……もう頭が変になりそうだよ……」

 真・悪魔将軍プペは下卑た笑みを浮かべながら、ぐいッとキン肉マンルージュの顔を上げる。

「そうであろうな。本来、デヴィルディスペアやマッスルアフェクションというものは、生身の肉体と合わせて使うことで、本領を発揮するものだ。だが肝心の肉体がぽんこつでは、肉体とマッスルアフェクションとのバランスが大きく崩れ、むしろ自身にとって大きな負担になってしまう」

 真・悪魔将軍プペはゆっくりと、脚を真上へと上げていく。
 足先にキン肉マンルージュの顎を乗せたまま、真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュごと脚を上げていく。
 ぴんと真・悪魔将軍プペの脚が伸びきり、まるでかかと落としをする直前のような、見とれてしまうほどに美しい体勢で脚が上がっている。
 その足先にいるキン肉マンルージュは、顎だけで身体をを支える格好となり、まるで絞首刑をされた受刑者のように、首から下がぶらりとぶら下がっている。

「さあ、余が貴様の手を握ってやろう。さすれば貴様は苦みや痛みから解放される。なにも考えられずに、ただただ真っ白な空間の中を脳内で彷徨い続け、漂い続けるがよい。この破滅の九所封じ、セミファイナル、握手でな」

 真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュの手を握ろうとする。

“ずばしぃ”

 キン肉マンルージュは真・悪魔将軍プペの胸を蹴り上げ、そのまま後方に一回転してリング上に着地した。

「苦痛なんか怖くないよ! 怖いのは、あんたに負けちゃうことだよ!」

「なあに、怖いのなんぞ一瞬だ。さっさと余に倒され、楽になるがよい」

 真・悪魔将軍プペは全身をダイヤモンドに変化させる。そして両手からダイヤモンドの剣を出現させた。

「喰らえい! 地獄のメリーゴーラウンド!」

 真・悪魔将軍プペは前方宙返りをしながら、キン肉マンルージュ目掛けて突進する。

「ひぃうッ! きゃわわうぅッ!」

 キン肉マンルージュはバックステップでコーナーポストまで下がり、そのままコーナーポストの先端に飛び乗った。そしてキン肉マンルージュは思い切り飛び上がる。

「プペプペプペプペプペッ! それで逃れたつもりか!」

 真・悪魔将軍プペはぎゅるぎゅると回転しながら方向転換し、上空にいるキン肉マンルージュに向かって突進する。

「きゃふわッ! お、追い掛けてくるッ?!」

 キン肉マンルージュは宙で半回転し、リングに向かって急降下する。
 真・悪魔将軍プペはキン肉マンルージュの動きに合わせるように、同じく急降下を始める。

“ずたん”

 キン肉マンルージュがリング上に着地すると、そこを狙いすまして真・悪魔将軍プペが突っ込んでくる。

「うわううぅッ! あ、危ないよお!」

 キン肉マンルージュは真・悪魔将軍プペから逃れるようにリング上を逃げ回る。そして真・悪魔将軍プペはそんなキン肉マンルージュを執拗に追いかけまわす。

「ひゃわううぅッ! し、しつこいよお!」

 どんなに逃げ回っても、そのすぐ後ろには常に真・悪魔将軍プペが迫ってきている。
 ふたりの動きはどんどんと速度を増していき、常人の目では追えないほどに速くなっていく。

「すごいのですぅ、キン肉マンルージュ様。あれほど難しいと言っていたマッスルアフェクションによる身体のコントロールを、これほどまでにこなしてしまうなんて」

“ぴしゃり”

 ミーノの頬に生温かいものが当たる。
 ふたりの壮絶な追いかけっこを見守っているミーノに、大粒の水滴が降り掛かってきた。
 ミーノは水滴を手にとり、それを見つめる。

「これは……汗? なのですぅ……」


(つづく)

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