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黒き艦娘、闇艦娘との闘いの火蓋が切って落とされる!
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 ――。
 ――。
 ――。
 ――光。

「………………ぁぁぁぁぁあああああッ!!!」

“カアアアッ!!”

 突然リング上から、フェードイン気味の悲鳴が上がった。そして悲鳴と同時に、強烈な光が溢れ出した。

「きゃうッ! ま、まぶし……こ、これは一体?! ですぅ」

「プペッ! ま、まぶし……ど、どうしたことだ、これは!?」

 あまりの強烈な光に、誰もが目をくらませてしまう。

「プペェ……この忌々しい気分が悪くなる光……まさか……」

「このピンク色の光は……マッスルアフェクションなのですぅ!」

 人々の目をくらませていた光は、少しづつ弱くなっていく。そしてリング上に降り立った、雄々しくも可憐な天使の姿があらわとなった。

「そ、そのお姿は!? ですぅ」

「プペェ! まさか、こやつ……目覚めたというのか?!」

 先程まで全身がどす黒く変色していたキン肉マンルージュ。誰もが絶命したと思っていたキン肉マンルージュが、まるでイリュージョンのように、一瞬で全く別の姿になって登場した。

「ここは……ッ! わたし、戻ってこれたんだあ!」

 キン肉マンルージュはきょろきょろと周囲を見渡しながら、安堵と歓喜の声を上げる。

「おかえりなさいですぅ! ルージュ様ぁ!」

 ミーノは涙でぐしゃぐしゃになった顔を腕で拭い、こぼれんばかりの笑顔をキン肉マンルージュに向けた。

「ただいまだよ! ミーノちゃんッ! 心配かけて、ごめんねッ!」

 ミーノに負けないくらいに輝かんばかりの笑顔を、キン肉マンルージュはミーノに向けた。

「……って、あれ? みんなが私を見てる? なんだか注目されちゃってる?」

 会場中の視線が自分に向けられていることに、キン肉マンルージュは気がついた。

「皆様、不思議に思っているのですぅ。かくいう私も、とっても不思議なのですぅ。先程まで全身が真っ黒に変色していて、更に致命傷ともいえる負傷を身体中に負っていて……どう見ても絶命している……と思っていたら、いきなりビカビカッと輝きだして、姿かたちが変わった、いかにもパワーアップしたと言わんばかりのキン肉マンルージュ様が、目の前に現れて……まるで凄腕マジシャンのスーパーイリュージョンを見せられた気分なのですぅ」

「……そっか、いきなりこんな格好で戻ってきたんだもんね……みんな困惑してるよね……じゃあ! わたし、またやっちゃよッ!」

 キン肉マンルージュはその場でくるりと身体を一回転させ、4本の髪の束をなびかせる。きらきらとマッスルアフェクションが揺らめき、ぽわぁと全身が緩く光り輝いた。

「正義は、みんなの中にある! みんなの正義を守りし、守護天使!」

 キン肉マンルージュは胸に何かを抱きかかえるように、両腕を胸の前に出して、抱え込む格好をする。そして、ぱぁっと、胸に抱いていたマッスルアフェクションを周囲に撒いた。周囲にはきらきらと、光り輝く花びらのように、マッスルアフェクションが舞い散る。

「へのつっぱりはご遠慮願いマッスル! マッスル守護天使、キン肉マンルージュ! パ~~~フェーック、ショ~~ーーーンッ!!」

 キン肉マンルージュは小さく投げキッスをしながら、お尻を突き出す。そしてお尻で“P”という文字を宙に描く。

“ずびゅばちゅごーん”

 キン肉マンルージュの背後で、ピンク色のファンシーすぎる爆発が起こる。そして周囲にはピンク色に輝くハートが舞い散る。
 中心に“R”と刻まれているハートは、地面に落ちると、まるで降り落ちた雪のようにはかなく消えた。

「……? ……?? ……??? ……???? ……?????」

 静まりかえる会場。そんな中、キン肉マンルージュはお尻を突き出し、ウィンクしながら投げキッス後のとがった口を見せている。
 そんな彼女を誰もが頭の中を疑問符でいっぱいにして、呆然と見つめる。そしてしばしの沈黙が、周囲を包み込む。

「パーフェクション? もしかして完全なる火事場のクソ力、火事場のクソ力パーフェクションが使えるようになったのですぅ?!」

 静寂を破るように、ミーノは口を開いた。

「うん、話せば長くなるから、手短に説明するけど……わたしね、超人墓場の入り口、死者の大扉の目の前にいたの」

「死者の大扉?! くぐったが最期、二度と現世には戻れないとされている、あの超人墓場の入り口にですぅ?!」

「その大扉の前でね、完全のマスクに会ったの」

「か、完全のマスク?! ですぅ!? 確かキン肉神殿で、厳重に守られているはずなのですぅ……」

 真・悪魔将軍プペは苦々しい顔をして、舌打ちをした。

「プペェ……ゴールドマンとシルバーマン兄弟の仕業か……チィッ、余計な真似をしくさりおって……」

 ぶつぶつと文句を口走る真・悪魔将軍プペを尻目に、キン肉マンルージュは説明を続ける。

「完全のマスクは、わたしの中で眠っていた火事場のクソ力を、すべて外へと引っ張り出したの。それでね、その火事場のクソ力をコントロールしろって……それがすっごく難しくて、すっごく苦しかったよ……どんなに頑張ってもね、どんどん勝手にでちゃうの……でちゃって、でちゃって、とめどもなくでちゃうの……いま思い出しただけでも、わたし……ちびっちゃいそう……」

 キン肉マンルージュは頬を赤らめながら、内股になってもじもじしている。

「火事場のクソ力は扱いがとても難しく、超大パワーを得られるかわりに、生命エネルギーの消費が凄まじいのですぅ。自らの命を落としかねない、諸刃の剣なのですぅ。現キン肉族の王子である万太郎様は、火事場のクソ力チャレンジでようやく完全な火事場のクソ力を扱えるようになったのですぅ……そうですかぁ、完全のマスクはかなり荒っぽい方法で、キン肉マンルージュ様に火事場のクソ力のコントロールを身につけさせたのですね」

 キン肉マンルージュとミーノが話し込んでいる横で、突然、巨大な黒い火柱が上がった。


(つづく)

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