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黒き艦娘、闇艦娘との闘いの火蓋が切って落とされる!
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「使命……正義超人の……使命……しめい……そ、そんなの………………そんなの決まってるよ!」

 突然、キン肉マンルージュから放出されているマッスルアフェクションの火柱が、ごおおおおおッ! と勢いを増した。火柱は轟炎と化し、空をも焼きそうな勢いである。

「正義超人の使命! そんなのわたしが幼児の頃から知ってるよ! わたしが乳児だった頃から知ってたよ! それは」

 キン肉マンルージュが言いかけると、轟炎は小さくなり、縮みだした。しかし勢いが弱まったのではない。炎は密度が高まり、濃密、濃縮されたような、ひと際に輝く光炎へと変化していく。
 異常な濃度のマッスルアフェクションが、キン肉マンルージュの全身を包み込む。ごうごうと放出されどおしであったマッスルアフェクションは、キン肉マンルージュの表面上を滑らかに流れ、表面上にとどまっている。

「わ、わ、わあ、な、なにこれぇ」

 キン肉マンルージュは不思議そうに身体を見つめている。

『少女よ、よくぞマッスルアフェクションをとどめた。これでそなたの器が完成した。今後はその器を拡げられるように、切磋琢磨するのだ』

 キン肉マンルージュは周囲を見渡しながら、謎の声に向かって言葉を返す。

「器? 完成した? 何? どういうことなの? 教えて! 何がどうなっているの?! わたし、どうなっちゃったの!?」

『少女よ、今こそ目覚めよ! 完全なる火事場のクソ力、火事場のクソ力パーフェクションを発動するのだ!』

“どおおぉぉおおおぉぉぉんッ!”

 キン肉マンルージュの中で何かが弾けた。何かが爆発したような、とてつもない衝撃が、キン肉マンルージュの全身を襲った。

「あ、熱い! またさっきみたいに、身体が燃えてるみたい! ……ううん、さっきよりも熱い! 熱いよ! すっごく熱い! ……でも、違う……さっきよりも熱いけど、今度のは我慢できるよ……それどころか、なんだか……心地いいよ! なんだか気持ちいい! とっても気持ちがいいよおッ!」

 キン肉マンルージュの全身を包んでいるマッスルアフェクションが、カァッと眩しいくらいに光り輝いた。光の塊と化したキン肉マンルージュは、シルエットが変化していく。

「なんだろう、この感覚……涼やかだけど、熱々しくて……癒されるほどに落ちついているのけど、でも猛々しくて……優しいけど、ひどく厳しくて……極端だけど、フラットな感じ……矛盾してるけど、合理的で……いっぱいなようで、ひとつしかない……」

 マッスルアフェクションの輝きは、少しづつ落ちついていく。そしてキン肉マンルージュの姿があらわとなる。

「わ、わあ!」

 キン肉マンルージュは驚いた。
 元々ツインテールであった髪は、更にツインテールが追加されてクアッドテールになっている。
 コスチュームの端々にはリボンが飾られている。そしてリボンの余った紐部分は、くるりと身体に巻きついている。
 とても薄いがとても濃密なマッスルアフェクションに、全身が包まれている。

「これって……レベルアップだよね! パワーアップだよね! 第2形態だよね! 進化だよね! そうだよね! じゃあ決め台詞もポーズも変えないとね!」

 キン肉マンルージュはその場でくるりと身体を一回転させ、4本の髪の束をなびかせる。きらきらとマッスルアフェクションが揺らめき、ぽわぁと全身が緩く光り輝いた。

「正義は、みんなの中にある! みんなの正義を守りし、守護天使!」

 キン肉マンルージュは胸に何かを抱きかかえるように、両腕を胸の前に出して抱え込む格好をする。そして、ぱぁっと、胸に抱いていたマッスルアフェクションを周囲に撒いた。周囲にはきらきらと光り輝く花びらのように、マッスルアフェクションが舞い散る。

「へのつっぱりはご遠慮願いマッスル! マッスル守護天使、キン肉マンルージュ!」

 力強いキン肉マンルージュの声に呼応するように、キン肉マンルージュの背中にはマッスルアフェクションでできた、光り輝く2枚の翼が広がる。
 そして額がマッスルアフェクションによって、ピンク色に光り輝く。輝く額には、丸文字で“肉”の文字が刻まれる。

「パ~~~フェーック、ショ~~ーーーンッ!!」

 キン肉マンルージュは小さく投げキッスをしながら、お尻を突き出す。そしてお尻で“P”という文字を宙に描く。

“ずびゅばちゅごーん”

 キン肉マンルージュの背後で、ピンク色のファンシーすぎる爆発が起こる。そして周囲にはピンク色に輝くハートが舞い散る。
 中心に“R”と刻まれているハートは、地面に落ちると、まるで降り落ちた雪のようにはかなく消えた。

『……………………少女よ』

 ウィンクしながらお尻を突き出し、投げキッス後のとがった口を見せているキン肉マンルージュ。そんな彼女に、謎の声の主は勇気を振り絞って話しかけた。

『……少女よ……いや、何も言うまい……』

 そしてしばしの沈黙が周囲を包み込む。
 言葉を失った謎の声の主は、笑顔のままお尻を突き出して静止しているキン肉マンルージュを、生暖く見つめている。

『……弟よ……これでよかったのだろうか……私には何が何やら、わからなくなってきたぞ……』

『兄さん、時代だよ。時代がそうさせているんだよ』

 キン肉マンルージュはふと、謎の声が真上から聞こえてくることに気がつく。そしてキン肉マンルージュはふいに、顔を真上に向けた。

「あ」

 キン肉マンルージュは間の抜けた、驚きの声を上げる。そこには金と銀が織り混ざった光を放つ、完全のマスクがいた。
 かつてキン肉マンが銀のマスクと共に、黄金のマスクをめぐって悪魔将軍率いる悪魔六騎士と戦った。そして激闘の果てに、兄である黄金のマスクと、弟である銀のマスクはひとつとなり、完全のマスクとなった。
 キン肉神殿にあるはずの完全のマスクが、なぜだか今はキン肉マンルージュの前に現れている。

『弟よ、なぜだろうか……あの少女と接しておると、口の裏がむずむずする……顔中に鳥肌がたつような……冷ややかなようで、妙にほっこりしたような……くすぐったくもあり、たまらなく切ない気持ちにさせられる……ううむ、わたしには理解できぬ、あの少女は……』

『そうかな、僕は純粋に可愛いと思うけどな。この子は現代という時代を象徴する、究極の存在な気がするけど』

『感じ方は人それぞれということか……ううむ、なんとも釈然とせぬ……』

『あ、ルージュちゃん、こっちを見てるよ。兄さん』

『ぬあにぃッ!?』

 完全のマスクとキン肉マンルージュの目が合う。ふたりは見つめあったまま、微動だにしない。そしてしばしの沈黙が流れる。

“カァッ!”

 突然、何の前ぶれもなく、完全のマスクは強く光りだした。

「きゃぁうッ!」

 キン肉マンルージュはまぶしさに耐え兼ね、手の平で目を隠す。
 やがて光は弱まり、キン肉マンルージュは目を細めて辺りを見渡す。

『少女よ』

 声を掛けられたキン肉マンルージュは顔を上げて、完全のマスクに目を移す。
 そこにはキリッとした完全のマスクがいた。威厳と気品溢れる雰囲気を漂わせながら、完全のマスクは落ち着き払った声で話しだす。

『少女よ。ここは超人墓場の入り口。そしてこれは、死者の大扉。この大扉を通ったが最期、生命の玉を4つ揃えるまで出ることはかなわぬ』


(つづく)

目次はコチラ

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